電子カルテなどの情報システムを更新する場合、現状の課題を整理する必要があります。数年間のシステム利用で課題が発生しており、解決できない残課題もあるのが一般的です。
課題認識の内容は、役職や職種で異なります。システムの全体像を把握するには、職種別のヒアリングを適切に実施して、内容を正確に理解する必要があります。正確な理解には多くの経験が必要とされます。管理者に対するヒアリングは、コストに関する話題も多く、同規模医療機関の調達金額が比較されることもあります。
システムベンダーは、初期構築から数年間の安定稼働を経て、これまでの課題管理がリスト化されています。解決した課題、解決に取り組んでいる課題、解決が見込めない課題、と分類されているのが一般的です。
システムベンダーにも現行システムに対するヒアリングを実施します。現行の課題、次期システムのあるべき構成などを議論します。
これらのヒアリングを通じて現状の分析を行い、課題の抽出を行います。課題は運用に関することは除き、システム上の課題に限定します。システム化することで合理化できるか、医療安全上の課題が解決できるかといった視点で整理します。